グラム染色法とは?陽性菌・陰性菌を簡単にわかりやすく説明(漫画も)


グラム染色法とは、細菌を分類するための一つの方法である。この方法でグラム陽性球菌、グラム陽性桿菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌の4つに分類できる。

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はじめに

抗生物質の効果を説明するときに、グラム陽性菌に対して効果があると言ったり、グラム陰性菌 に対して効果があると言ったりします。

グラム陽性菌、グラム陰性菌というのは、そういう名前の菌がいるわけではありません

これらは、グラム染色法と呼ばれる方法によってその検査が陽性の菌か、陰性の菌かを意味します。

この記事では、グラム染色法、グラム陽性菌、グラム陰性菌について簡単にわかりやすく説明します。

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漫画~グラム染色法とは?~

グラム染色法とは?陽性菌・陰性菌を簡単にわかりやすく説明(漫画も)1 グラム染色法とは?陽性菌・陰性菌を簡単にわかりやすく説明(漫画も)2 グラム染色法とは?陽性菌・陰性菌を簡単にわかりやすく説明(漫画も)3 グラム染色法とは?陽性菌・陰性菌を簡単にわかりやすく説明(漫画も)4

以上が漫画になります。

漫画だけの簡単な説明でいい方は、よければ関連記事をご覧ください。

もう少し詳しく知りたい方 は、関連記事の下 に漫画では説明しきれなかったことを書きました。

よければご覧ください。

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グラム染色法とは?

グラム染色法とは、細菌を分類するために行われる検査方法で、細菌を染色してその染まる色で2つにします。

グラム染色法によって紫色に染まるものをグラム陽性紫に染まらず赤色に染まるものをグラム陰性と呼びます。

デンマークの学者ハンス・グラムによって発明されたのでこの名称になっています。ただの名前由来であって、重さ(g:グラム)とは関係ありません。

 

グラム陽性菌と陰性菌の違い

グラム染色法によって染まる色が二つに分かれるのは、細菌の細胞壁の構造の違いによります。

グラム陽性の細菌は、細胞壁が一層の厚いペプチドグリカン層からなっています。

グラム陰性の細菌は、何層かの薄いペプチドグリカン層とその外側に外膜と呼ばれる脂質二重層からなっています。

 

一般的にはグラム陰性菌の方が病原性が高いです。

それはペプチドグリカンを囲む外膜が、細菌の本体を隠してしまい、ヒトの免疫力が働きにくいこと、そして外膜自体が炎症を引き起こす毒素を持つためです。

 

グラム染色の原理

細かい手順は割愛しますが、グラム染色法では、

まずクリスタルバイオレットまたはゲンチアナバイオレットと呼ばれる紫の染色液を使います。

すると、すべての細菌が紫色に染まります。

②次に、アルコールをかけます。

すると、グラム陰性菌はペプチドグリカン層が薄いのでアルコールによって中の成分が漏れ出てしまうので紫色が脱色されます。(無色に戻る)

グラム陽性菌は紫色が維持されています。

③そのあと、サフラニンまたはフクシンと呼ばれる赤の染色液を使います。

すると、脱色されたグラム陰性菌だけが赤く染まることになります。

 

細菌の分類について

染色された細菌を顕微鏡でのぞくと、色の違いで2種類に分けられます。

さらに細菌は丸い形の球菌と、細長い棒状または円筒状の形をした桿菌(かんきん)の2種類に分けられます。

つまり、グラム染色法によって染色したあと顕微鏡で見ると、色と形によって、グラム陽性球菌グラム陽性桿菌グラム陰性球菌グラム陰性桿菌の4つの種類に細菌を分類することができます。

 

分類される細菌の種類

以下、グラム染色法によって分類される細菌の名前とそれぞれの特徴をまとめました。臨床的に重要なのは、グラム陽性球菌グラム陰性桿菌 です。これらの菌は、病気を引き起こす原因菌になりやすいです。

 

グラム陽性球菌

・化膿レンサ球菌

 丸が鎖のようにつながった形。のどや消化管などに存在し、溶連菌やとびひを引き起こす。この菌の病原性が変化して発症する劇症型溶血性連鎖球菌感染症は壊死や多臓器不全を起こし命にかかわることがある。この菌を人喰いバクテリアと呼ぶことがある。

・肺炎球菌

 のどに存在し、肺炎や髄膜炎を引き起こす。肺炎球菌にはワクチンがある。

・黄色ブドウ球菌

 ブドウのような形状。人や動物の皮膚などに存在し、食中毒、肺炎、髄膜炎、敗血症を引き起こす。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、多くの抗生物質が効かなくなる。MRSAではバンコマイシンがつかわれる。

・腸球菌

病原性は低い。しかし、耐性が問題。MRSAに使用されるバンコマイシンに耐性を持ったバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)が存在する。

 

グラム陽性桿菌

・ジフテリア菌

 ジフテリア毒素を出すことでジフテリアという上気道の感染症を引き起こす。四種混合ワクチンで予防。

・枯草菌

 土壌や植物や下水に存在し、ほとんど病原性はない。しかし、結膜炎や虹彩炎を引き起こす。納豆を作る時に使う細菌でもある。

・炭疽菌

 土壌に存在し、生物兵器としても使用されたことがある。過去にはアメリカで炭疽菌事件が起きた。

・ボツリヌス菌

 土壌や海底に存在し、毒性の強いボツリヌス毒素を作り出す。生物兵器としても利用される可能性のある毒素。食中毒の原因にもなり、はちみつにも入っていることがある。このため1歳未満の乳児にはちみつは与えてはいけない。

・破傷風菌

 土壌や汚泥に存在し、破傷風を引き起こす。四種混合ワクチンで予防。

・結核菌

昔は不治の病と言われていた。結核を引き起こす。空気感染する。現在では薬で治療可能。

グラム陰性球菌

・淋菌

 のどや性器などの粘膜に存在し、性感染症を引き起こす。

・髄膜炎菌

 鼻やのどに存在し、髄膜炎を引き起こす。

グラム陰性桿菌

・インフルエンザ菌

 中耳炎や副鼻腔炎や気管支炎などを引き起こす。インフルエンザウイルスとは異なる。この菌には複数の種類があるが、敗血症や髄膜炎を引き起こすのはインフルエンザ菌b型(Hib:ヒブ)。これはヒブワクチン(Hibワクチン)で予防。

・百日咳菌

 百日咳を引き起こす細菌。四種混合ワクチンで予防。

・大腸菌

さまざまな種類の大腸菌がいる。敗血症を引き起こす時もある。しかし、通常の大腸菌は無害。腸内にも存在。尿道に入り込むと膀胱炎などの尿路感染症を引き起こす。また大腸菌の中で病原性が強いのが病原性大腸菌O-157。ベロ毒素と呼ばれるものを放出し腹痛や血便を引き起こす。

・パラチフス菌

パラチフスという食中毒を起こす。衛生環境が良好な日本ではあまり発症しない食中毒で、衛生環境の劣悪なアジアやアフリカで発生しやすい。

・ペスト菌

 致死性の高いペストを引き起こす原因菌。ペストは黒死病とも呼ばれ14世紀に大流行したときは世界の人口が大幅に減少。

・コレラ菌

 コレラを引き起こす原因菌で、大量の下痢を伴い脱水状態に陥る。ドラマJINでもこの細菌は登場して「コロリ」と呼ばれ多くの人が亡くなっていた。

・腸炎ビブリオ

 海水に存在し、この細菌に汚染された魚介類を生で食べることで食中毒を引き起こす。

・緑膿菌

土壌、海水、淡水だけでなく腸内にも存在。日和見感染症(抵抗力が下がっている人に起きる感染症)の原因になりやすい細菌で、院内感染を引き起こすこともある。耐性もあり抗生物質が効きにくい菌でもある。あらゆる抗生物質が効かない緑膿菌を多剤耐性緑膿菌(MDRP)と呼ぶ。

・レジオネラ菌

土壌や河川だけでなく温泉施設にも存在していることがある。この細菌を吸い込むことでレジオネラ症という感染症を引き起こす。

マイコプラズマは?

細菌の中で一番小さいものがマイコプラズマです。

気道に感染し肺炎を起こすことがあります。

この菌は、細胞壁をもっていないためグラム染色陰性となります。

細胞壁をもたないため形状が定まりません。

そのため球菌でも桿菌でもありません。

 

コメント

普通の人は、グラム染色法、グラム陽性菌、グラム陰性菌なんて言葉は知らないと思います。

知る機会がないですからね。

それでも、自分が飲む抗生物質はどういう菌をやっつけるのかは知っておいても損はないです。

処方される抗生物質がどんな種類の菌をやっつけるのか?

どれくらいの種類の細菌を退治するのか?

そもそも、そこまで退治する必要があるのか?

抗生物質の中には、あらゆる細菌を退治してしまう(抗菌スペクトルが広い)薬もあります。

自分に処方された抗生物質の服用の重要性に気づくこともあるでしょうし、逆に不必要に処方された抗生物質に気づくこともある かもしれません。

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